米づくりアラカルト

◎Vol.5 今年のお米は上等品

バックナンバー
◎Vol.1 台風4号襲来 。5百万石は?
◎Vol.2 病気と闘う「稲」
◎Vol.3もうすぐ収穫
◎Vol.4 稲刈りグループのみなさんへ

池の田植えが終わりました。石ばし庵は旅人のおもてなしにおいしいお米を2反歩作っています。今年は池の独自の地酒を作ろうと、有志相集い、酒米「五百万石」の苗をうえました。地酒造りは今年で4年目、既に独自の地酒ブランド「池のさと」を完成させています。コクがあり、芳醇でまろやかな「池のさと」。石ばし庵でどうぞ試飲下さい。




 Vol.5 今年のお米は上等品  2003-10-7

そのコメを、口にお含んだとたん「砂糖を入れて、炊いたのか?」。
おばあさんは目を細めて、もう一口・・・。
「うんーん おいしい」 「甘みがあってよーう」
石ばしのおばあさんが、旨いというときは甘みが基準。
農家のいう甘みとはコクがあり、そのものの味が出ているときに使う独特の表現
なのだ。

2003年度産米、全国の作柄は「不良」。
3、4割の減収です。日照不足、つまり環境が激変したということだ。
わが、集落、池の地でも同様で、平年の2,3割しか獲れなかった農家もある。
「けっして、いい米がとれたなんて 言うじゃないよ」
「ドロボーが聞きつけて、みーんなもって いかれるからよー」
盗難のことまで心配する92歳である。

9月27、28日は稲刈り日。
遠く郡山から駆けつけた奥田クンは稲刈り機担当。
埼玉の建築士・テツちゃんはウシ建て(稲を干す葉座賭け棒)。
お神輿かつぎ大好きなアンドーとハッシーは保育士。
JR職員もいれば東京大学のセンセイ、フリイターの若者も。
ほかに2歳のメイ。3歳の空が特別参加。
カラフルなアウトドアーファッシヨン。
人影もまばらな田んぼに、この集団が居るのだからメダツ、めだつ。
「あんたは、人集めが うめーなー」
「一人でいいから 貸しておくんな」
猫の手も借りたい時期です。

石ばし庵の稲刈り風景をみれば、「貸してくれ!」と言いたくなるだろう。
「素人になーにができる!?」という人もいるが、

収穫・稲刈りには独特のロマンを日本人はもっているのでしょう。365日食べる「主食」。何がなくてもコメさえあれば・・・生きていける。
誰もがそう考えているからかもしれない。だから、力が入る。

空クンたちだって、一束一束運ぶ。
親の背をみて育つ、こどもたちの姿。可愛いだけではない。
その意欲、成長を自分で獲得していく姿に大人たちに感動を与えてくれる。
予想もしないわが子の姿に、子育ての喜びがわいてくる。

外資系の会社を退職した奥田クン。
失業保険受給中に免許という免許を全部取るのが、この期間の目標だ。
食いあぶれることの辛さ、この国の危うさを考えてのことだと言う。
「まじめに働いていても生涯の保障はなにもない」から。

奥田クンの機械操作は、順調。ジョギングなみのスピードで稲を刈り取っていく。

ソロソロ冬眠の住家をみつけようと、ウロウロしているカエルくんを空が目ざとくみつけ手の平にのせる。

バッタくんの三角顔と長い足。田んぼの小動物とすぐに仲良くなるのが三歳児。
有機肥料を元肥えにプラス米ぬか散布。それによって田んぼの土は滑らか。雑草も少ない。
きめ細かい絹ごし豆腐を想像してもらえばいい。

 有機プラス米ぬかによって、日照不足・冷夏を克服できたことは間違いない。
土ごと発酵させたので、地熱が高くなり寒さを乗り切れたと思う。植物の持つ遺伝子・成長発達に沿った農法が有機栽培ではないだろうか。

池区の水田はいもち病が大発生し、平年の3〜4割減の水田はほとんどが化学肥料だった。我が田は、稲の品種を変えたのも的中した。長野産コシヒカリから山形産のはえぬきに。倒伏、いもち病に強く食味は上の上。
 
 稲刈り後の天候が安定したこともあって自然乾燥で食味もよさそうだ
「これは一等米だ」。精米機に手を入れしげしげと眺めたのは古老。確かにダイヤモンドのような輝き、透明感のある粒。
 
 今年の米つくり、精進した甲斐がありました。米つくりは一人では寂しくて辛くてやっていられない。スタッフのゆかわさん、92歳おばあさんは軽トラの上から米ぬか下ろし。
若い稲刈り、田植えグループの協力があり大助かりの1年でした。

   ありがとう                 庵主

 

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